やきものの乾拭き入門(布・頻度・避けたいこと)

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今回のテーマは、やきものの乾拭き入門です。

布の選び方、行う頻度、避けたい手段まで、今すぐ使える要点をまとめました。

■乾拭きの要点
乾拭きは、汚れを退治する作業ではなく、器の輪郭をそっと整える所作です。強く磨くほど良くなることはありません。上から下へ、一方向に一度だけ。触れる回数を減らすほど、表情は落ち着きます。迷ったら止める。この引き算が仕上がりをきれいにします。

■布の選び方
綿のやわらかい布
糸目の細いものを一枚。多くの器で基準となる布です。古いTシャツ地でも構いません。縫い目や固いタグ部分を外して使います。

極細繊維のクロス


艶のある釉薬に向きます。指跡を軽く伸ばす役目に徹します。マット釉や素焼きでは引っかかることがあるため、艶専用として分けてください。

柔らかい刷毛
口縁や高台、彫りの陰にたまったほこりを先にはらいます。布を当てる前の一手で、拭き跡を作りません。

■週一度の整え方
一 置いたまま、刷毛で上から下へはらう。
二 綿布で面をなでる。口縁から胴、高台まわりへと一息に。
三 艶釉に指跡が残るようなら、極細繊維のクロスで軽く伸ばす。
四 布の面が汚れたら即交換。きれいな面だけを使います。
所要は三十秒ほどで十分です。来客前や撮影前に合わせて行っても良いでしょう。

■仕上げ別の勘どころ
艶釉
光が均一に返るため、拭き筋が出やすい仕上げです。円を描かず、縦か横のどちらか一方向だけに。力はかけません。
マット釉
擦り跡が残りやすい仕上げです。こすらず、布を軽く押し当てて離す動きで整えます。深追いはしません。
素焼き・焼締
反射が少なく、さらりとした手触り。毛羽が付きやすいので、刷毛ではらってから綿布で一度なでるだけにとどめます。

■装飾への配慮
金彩・銀彩・盛り上げ
乾拭きのみ。金属磨きやメラミンスポンジは厳禁です。縁や角は布越しに指先をすべらせる程度で十分。
色絵・線描
筆致の向きに沿ってなでます。逆らう拭き方は繊維が引っかかる原因になります。
印刻・彫り
刷毛で払えば足ります。中を布でえぐる必要はありません。

■避けたいこと
濡れ布やスプレー
水分が跡になり、素地に残る場合があります。乾拭きで整わない汚れは無理をせずご相談ください。
強い香りの洗剤やアルコール、研磨剤
匂いが残り、表面の艶やマット感を不均一にします。
メラミンスポンジ
短時間で落ちるように見えても、表面を削ります。長い目で見ると質感を損ねます。
一枚の布を万能に使い回すこと
艶釉用、マットや素焼き用、金彩有無で布を分けます。付着した油分や繊維が器を渡り歩かないようにします。

■置き方が手入れを軽くする
四辺に指一本の余白を取り、壁から一〜二センチ離すだけで、ほこりがたまりにくくなります。台座や敷板は取り外して払えるものにすると、布が回り込みやすく、乾拭きが短時間で終わります。

■季節の注意
梅雨
湿気でほこりが絡みます。刷毛ではらい、綿布で短く。布は面替えをこまめに。

乾燥で静電気が強まります。拭く前に布を軽く振って繊維くずを落とします。加湿器の蒸気が直接当たる位置は避けます。
春と秋
窓辺の器は直射を外し、半歩だけ奥へ。乾拭きの回数が自然に減ります。

■よくある質問

布は何を用意すればよいか
糸目の細い綿布を一枚、艶釉用の極細繊維クロスを一枚、柔らかい刷毛を一本。この三点で足ります。


力加減はどのくらいか
布がわずかにたわむ程度。器の位置が動くほどの力は不要です。


しつこい跡が取れない
上記をすべて試してダメでしたら、無理せず中断しましょう。油分か素材由来かで対処が変わります。状態を確認のうえ、当社並びに専門業者へご相談ください。

今回は、乾拭きを増やさない手入れとして整理しました。短い手順を静かに続けるだけで、器の表情は保てます。お読みいただきありがとうございました。

九谷屋では、九谷焼の素焼き骨壺をご用意しております。寸法や名入れ、設置のご相談は、どうぞ無理のない範囲でお声がけください。

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