九谷屋のブログへようこそ。
弊社は大正十二年の創業以来、九谷焼をはじめ工芸品を専門に取り扱っている企業です。
当ブログでは焼物の魅力や、有用な情報をわかりやすく、お客様へ発信してまいります。
今回のテーマは「骨壺のサイズと地域差」です。
お葬式を終えて、初めて骨壺を手にする。その大きさに驚く方もいれば、思ったより小さいと感じる方もいます。
実は、骨壺のサイズは地域によって違います。関東では七寸、関西では五寸。この違いには、火葬の習慣と供養の考え方が関わっています。
今回は、なぜ地域でサイズが変わるのか、どう選べばよいのかをお伝えします。
関東は全骨、関西は部分骨
関東地方では、火葬後のご遺骨をすべて骨壺に納めます。これを「全骨収骨(ぜんこつしゅうこつ)」と呼びます。
頭蓋骨も、肋骨も、脚の骨も、すべてを拾う。そのため、骨壺は七寸(高さ約25センチ、幅約22センチ)の大きなサイズが標準です。
一方、関西地方では、主要な骨だけを拾います。これを「部分収骨(ぶぶんしゅうこつ)」と呼びます。
喉仏や頭の一部、胸の骨など、象徴的な部分を選んで納める。そのため、骨壺は五寸(高さ約17センチ、幅約15センチ)で済みます。
この違いは、単なる習慣ではありません。土葬から火葬へ移行した時期の違い、墓の大きさ、供養の考え方が、地域ごとに異なる形を生んだのです。

中部・北陸はどちらか
では、富山や石川、福井といった北陸地方はどうか。
北陸は、関東と関西の中間に位置します。地域や寺院によって、全骨収骨と部分収骨が混在しています。
富山県では、全骨収骨が多い。そのため、七寸の骨壺が一般的です。ただし、家族の希望や墓の事情で、五寸を選ぶこともあります。
中部地方も同様です。名古屋を境に、東は全骨、西は部分骨の傾向が強い。けれど、明確な線引きがあるわけではなく、火葬場や葬儀社の方針によって変わります。
大切なのは、事前に確認することです。火葬場や葬儀社に「全骨ですか、部分骨ですか」と尋ねれば、適切なサイズを案内してもらえます。
サイズの単位は「寸」で表す
骨壺のサイズは、寸(すん)という単位で表します。一寸は約3センチです。
二寸、三寸、四寸、五寸、六寸、七寸。この順で大きくなります。
二寸や三寸は、分骨用や手元供養用の小さな骨壺です。手のひらに乗るサイズで、リビングや寝室に置けます。
四寸や五寸は、部分収骨や、お墓に納めるまでの一時的な安置に使われます。
六寸や七寸は、全骨収骨に対応する大きさです。仏壇の脇や、仏間に安置するのに適しています。
どのサイズを選ぶかは、収骨の方法と安置場所で決まります。迷ったときは、火葬場や葬儀社に相談するのが確実です。
手元供養なら小さく、分骨も視野に
近年、手元供養という形が増えています。
大きな骨壺を仏間に置くのではなく、小さな骨壺に分骨して、リビングや寝室に置く。故人を身近に感じたい、という思いからです。
この場合、二寸や三寸の小さな骨壺を選びます。デザインも多様で、陶器、ガラス、金属、木製など、暮らしに馴染む素材が揃っています。
九谷焼の素焼き骨壺も、こうした手元供養に向いています。素焼きは釉薬を使わないため、名前や戒名を直接書き込むことができます。自分で筆を執る。その行為が、故人への思いを形にします。
分骨には手続きが要ります。火葬場で「分骨証明書」を発行してもらい、それを持って菩提寺や霊園に相談します。手元供養と納骨を両立させることも、法的には問題ありません。
骨壺の素材と通気性
サイズと同じくらい大切なのが、素材です。
陶器の骨壺は、釉薬の有無で通気性が変わります。釉薬をかけた骨壺は密閉性が高く、湿気を通しません。素焼きの骨壺は通気性があり、湿気を逃がします。
日本は湿度が高い。そのため、長期間安置する場合は、素焼きや通気性のある素材が好まれます。九谷焼の素焼き骨壺は、この点で優れています。
ただし、納骨堂や湿気の多い場所では、密閉性の高い金属製やガラス製も選択肢です。置く場所の環境に合わせて、素材を選ぶとよいでしょう。
迷ったら、まず火葬場に尋ねる
骨壺のサイズ選びは、慣れない方には難しい。けれど、迷ったら火葬場や葬儀社に尋ねれば、すぐに答えが出ます。
「この地域は全骨ですか」「七寸が標準ですか」「分骨を希望する場合はどうすればよいですか」
こうした質問に、現場の方は慣れています。遠慮せずに尋ねてください。
また、骨壺は後から変えることもできます。最初は火葬場で用意された白い骨壺を使い、後日、好みの素材やデザインに移し替える。そうした選択も、まったく問題ありません。
九谷屋のご紹介
九谷屋では、二寸から七寸まで、さまざまなサイズの骨壺を取り揃えております。
九谷焼の素焼き骨壺は、通気性があり、名前や戒名を直接書き込むことができます。手元供養にも、納骨にも適した一品です。サイズや素材のご相談は、どうぞお気軽にお声がけください。

