日本のやきもの入門④──日常使い編

九谷屋のブログへようこそ。
弊社は大正12年の創業以来、九谷焼をはじめ工芸品を専門に取り扱っている企業です。
当ブログでは焼物の魅力や、暮らしに役立つ情報をわかりやすく、お客様へ発信してまいります。

今回のテーマは「日本のやきもの入門④──日常使い編」。
九谷焼を中心に、日本のやきものが日々の体験を整える道具になる場面を、ご案内します。

■朝ごはんの“温度”を揃える(飯碗・汁椀・小皿)
飯碗は、手にのる高さと口縁の反りで温度が逃げにくくなります。
小皿を一枚だけ色物にすると、白飯と味噌汁の間に視線の止まり木が生まれます。
九谷焼は線と余白が得意。主役の色を一点だけ置くと、朝のテーブルが静かに締まります。

■昼の一人時間をほどよく飾る(蕎麦猪口・湯呑・豆皿)
蕎麦猪口は飲む・食べる・すくうに跨げる万能選手。
染付の細線は、簡単な麺や果物でも“姿勢の良さ”をつくります。
豆皿は三枚で十分。薬味、甘いもの、指輪の一時置き――用途が自然に決まります。

■お茶とお菓子に“余白”を(銘々皿・菓子皿)
皿の見込みに文様があるなら、お菓子は角の立たない形を。
文様がないなら、干菓子や最中の輪郭をそのまま見せます。
九谷の金襴手は“線金”程度が日常向き。面積を広げず、光を細く効かせます。

■花を一輪だけ迎える(小花器・一輪挿し)
信楽や備前と、九谷の小花器。質感が違う二者を季節で入れ替えると“場の湿度”が整います。
置き場所は日陰寄り、壁から指一本。映り込みを避けるだけで、花の色が冴えます。
花がない日は、枝物か空のままでも構いません。器の地(素地)だけで景色が保てます。

■玄関の“3分設え”(鍵皿・小物トレイ)
浅い皿を一枚。鍵・印鑑・イヤホンが散らばらなくなります。
色は一色で十分。九谷五彩は使わず、地の白や生成りを残すと清潔感が出ます。
来客時は皿を裏返して台座に。香立や小花器の受けにも転用できます。

■書斎の整頓は“仕切らない”で始める(長皿・角皿)
ペンと付箋、USB。長皿にまとめるだけで机の音が静かになります。
仕切りは作らず、線の文様だけで“間取り”を示すのがコツ。
九谷の細線や染付の縞は、視線の流れを整えるのに向いています。

■季節の行事は“足し算しない”(折敷・敷板・手ぬぐい)
敷板は器より一回り。四辺に指一本の余白を残します。
手ぬぐい一枚を下に敷き、器は二点まで。
色は“濃・淡・無地”の三段で止めると、写真にしても乱れません。

■贈り物は“使う場面”から逆算(箸置き・小皿の組)
毎日使えるのは、箸置きと小皿の組。
外箱は薄手で良いので、洗いやすさ・重ねやすさ・指がかかる縁の三条件を優先します。
九谷なら同柄で揃えず、主色だけを合わせると、贈った先の器とも混ざりやすくなります。

■買い足しの順番(無理なく続ける)
①飯碗か湯呑の素地が静かなもの
②小皿か豆皿の一点色
③季節を受け止める小花器
この三つで、食卓・玄関・机――暮らしの要所が整います。あとは必要が生まれたときだけ足します。

■お手入れは“増やさない”
乾拭きで十分。艶のある釉は軽く拭き伸ばし、マットや素焼きはこすらず払う。
直射は避け、壁から1〜2cm空けるだけで変化がやわらぎます。
欠けや割れは無理をせず、そのまま保管してご相談ください。

今回は、九谷焼をはじめとした日本のやきものを、日々の体験を整える道具としてご紹介しました。
“映える”より“続く”。それだけで、暮らしの呼吸が変わります。
お読みいただきありがとうございました。

九谷屋では、九谷焼の素焼き骨壺のほか、日常の器選びや置き方のご相談も承っております。無理のない範囲でお声がけください。

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