追悼コーナーの作り方——写真・花・布の小さな工夫

こんにちは。
九谷屋スタッフブログへようこそ。

ご自宅の一角に、静かに手を合わせられる場所を整える——それが追悼コーナーです。大げさな設備は要りません。日々の暮らしの動線の中で、そっと視線が合い、呼吸が深くなる小さな空間があれば十分でございます。
本記事では、写真・花・布を軸に、どなたでも実行できる整え方を順序立ててまとめました。ご家族のご事情やお部屋の雰囲気に合わせ、無理のない方法でお役立てください。

1.追悼コーナーを整える考え方(目的と前提)

まず「何のために置くのか」を言葉にしておくと、選ぶものも置き方もぶれません。目的が定まるほど、必要最小限で満足度の高い場になります。

  • 目的を一行に:毎日の合掌の場所/帰宅時のあいさつの場所、など。

  • 小さく始める:最初は写真+花+布だけで十分です。

  • 高さと静けさ:目線の少し下〜同程度の高さが落ち着きます。

  • 掃除しやすさ:埃をさっと拭ける素材・配置に。

  • 家族の合意:見える位置・隠す位置の希望を必ず共有。

追悼は「続けられる形」に落ち着くほど、心の拠り所として機能します。最初に目的を整えておくことが、いちばんの近道でございます。

 

2.置き場所とレイアウトの基礎(安全・動線・高さ)

置き場所は、安全・動線・高さの三点で決めると失敗が少なくなります。転倒や直射日光、結露のリスクを避けるだけで、清潔感と安心感が大きく変わります。

  • 安定性:低めの棚・チェスト上など、水平で揺れにくい場所。

  • 動線:通り抜けの風で物が飛ばない位置。出入り口の直線上は控えめに。

  • 直射・結露:窓辺の直射日光、エアコン直下は避ける。

  • 滑り止め:フェルトや耐震ジェルでフレーム・花器を安定化。

  • 視線の高さ:座位・立位どちらで合わせるかを先に決める。

棚の角に白いコットン布を一枚敷くだけで、場の印象がやわらぎます。保管環境が心配な方は「保管環境の注意点」をご参照ください(結露・カビ・虫害の予防と対策の整理に役立ちます)。
※ 墓地・納骨堂・寺院の規程は施設により異なります。ご自宅以外での設置・持ち込みは管理者へご確認ください。

 

3.写真の選び方と飾り方(サイズ・フレーム・角度)

写真は空間の印象を大きく左右します。サイズは控えめ、余白は広くが基本です。フレームの素材とガラスの反射を整えると、落ち着いた見え方になります。

  • サイズ感:ポストカード〜2L程度が取り回しよく、埃取りも容易。

  • 余白の効用:マット付きフレームで余白を確保(写真の主役感が増します)。

  • 反射対策:半光沢印画紙や、反射を抑えるガラス・アクリル。

  • 角度:目線の少し下向きに傾けると、視線がやさしく落ち着きます。

  • 置き方:壁に立てかけると転倒しやすいため、スタンド+滑り止めで固定。

季節で写真を入れ替えるのも一案ですが、頻繁な変更は疲れのもとです。年に二度ほど(お彼岸・年末年始など)の更新にとどめると、無理なく続けられます。

 

4.花のあしらい(生花・プリザ・花器・水まわり)

花は、視覚だけでなく香りや湿度にも影響します。暮らし方に合わせ、生花/プリザーブド/ドライ/アーティフィシャルを選び分けると現実的です。

  • 生花の基本:小ぶり一輪挿しが掃除も水替えも容易。夏は水に抗菌剤を一滴。

  • プリザ・ドライ:湿気を避け、直射日光を避けると色褪せを抑えられます。

  • アーティフィシャル:高温の窓辺での退色に注意。埃は柔らかい刷毛で。

  • 花器の安定:重心の低い花器+滑り止め。水受けトレーで輪染み防止。

  • 色合わせ:写真の色数が多い場合は、花は単色〜同系色が落ち着きます。

生花は小さく、長く。一輪を丁寧に扱うほうが、清潔で持続可能です。水替えの頻度は季節により異なります。地域や室温に応じ、無理のない範囲で整えてください。

 

5.布と小物の工夫(敷布・色・質感・埃の管理)

布一枚で場の温度が変わります。選び方と敷き方を整えると、埃取りも含めて日々の手入れが軽くなります。

  • 素材:コットン・リネンなど自然素材は光の反射が柔らかく、埃も払いやすい。

  • :写真・花が主役になるよう、白〜生成の明度高めから始めるのが無理がありません。

  • サイズ:棚板から数センチ内側に収めると、引っ掛け転倒を防げます。

  • 縁取り:ほつれ止めの三つ折り縫い/ブランケットステッチで耐久性を。

  • 小物:香立て・小皿は「拭ける素材」を最優先。ロウ垂れ・灰はトレーで受ける。

布は季節に合わせて二枚用意しておくと、洗濯・交換の巡回が楽になります。冬は起毛感のあるウール混、夏は薄手のリネンへ。光と影の出方が変わり、同じ写真と花でも新鮮に映ります。
※ 火気の取り扱いはご家庭・集合住宅の規約に従い、十分にご注意ください。

 

6.避けたい点と、迷ったときの相談先(安全・合意・継続)

最後に、破損や不快感につながりやすい「避けたい点」を確認し、迷ったときの目安をまとめます。

  • 避けたい配置:窓辺の直射・エアコン直下・通風直撃のライン。

  • 避けたい不安定:高すぎる位置への設置、脚立を使う日常動作。

  • 火気と香り:狭い空間での線香・ろうそくは換気と耐熱受け皿を徹底。無香の選択も安心です。

  • 転倒対策:フレーム・花器の底に耐震ジェル、棚の背面に軽いストッパー。

  • 合意形成:見せ方・隠し方は必ず家族で話し合い、無理のない形に。

湿気や埃が気になる方は、保管環境の基本を改めて押さえると長続きします。より根本的な整え方は、「迷ったときに見返せる一覧表」で要点を確認されると安心です(サイズや置き方の優先順位を簡潔におさらいできます)。

 

まとめ

追悼コーナーは、小さく、清潔に、続けられる形が一番です。
写真は控えめのサイズで、余白を活かす。花は小ぶりに、季節へ寄り添う。布は明るく柔らかな質感で、埃取りのしやすさを優先。置き場所は低く安定した棚を選び、直射・結露・転倒を避ける——この順で整えると、日々の暮らしに無理なく溶け込みます。
どの選択にも唯一の正解はありません。大切なのは、ご家族が納得できる形であること。本記事が、そのための静かな道しるべになれば幸いです。ご不安な点は、どうぞ遠慮なくおたずねください。

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